仙台銀行ときらやか銀行(山形市)を傘下とするじもとホールディングス(HD、仙台市)は28日、検討していたきらやか銀への公的資金注入に関し、9月をめどに申請すると発表した。注入規模は160億~180億円で金融庁と調整している。資本業務提携しているSBIグループと追加支援に向けて協議入りしたことも明らかにした。公的資金は、新型コロナウイルス禍で打撃を受けた地域経済を支えるため、資金注入の条件を緩和した金融機能強化法の「コロナ特例制度」を活用する。申請が認められれば、全国初の適用ケースとなる。じもとHDの鈴木隆社長(仙台銀頭取)は28日、仙台市で記者会見し「新型コロナの影響を受けたきらやか銀の取引先に対する長期的な支援体制を構築し、地域金融機関の責務を全うする」と強調した。昨年5月に公的資金注入の検討を表明してから1年近くを要した理由は「きらやか銀で大口の貸出先の不良債権が発生した。収益計画や引当金、営業戦略見直しに取り組んできたため、今回のタイミングとなった」と説明した。2020年から提携するSBIグループとの連携強化も表明。SBI地銀ホールディングス取締役で、じもとHDの社外取締役を務める長谷川靖氏が、非常勤取締役としてきらやか銀の経営改善を進める。追加の出資も求める考えで、規模は未定だが「10億~20億円を想定している」(鈴木社長)という。きらやか銀に公的資金が注入されれば、リーマン・ショック後の2009年、東日本大震災後の12年に続いて3回目。過去2回で注入を受けた計300億円のうち、200億円は返済期限が24年9月に迫る。
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